水曜日、みなさんもご存知かと思いますが、日本の中期目標が発表されました!(記事が遅くなってすいません。) 2005年比で15%減だそうです。(ちなみに90年比では―8%になる数値です。) こちらボンではその話題でもちきりでした。

会議場で配られた号外ニュース

特に、世界のNGOはそれに対する意見表明、キャンペーンを行うために走りまわっていました。

日本のニュースもいくつか見ましたが、こちらとは全く!!違う評価です。ボンでは非常に「低い」数値という反応が大多数で、NGOだけではなく、UNFCCCの事務総長Yvo氏からでさえも”for the first time in two and a half years in this job I just don’t know what to say.”(「かける言葉も見つからない…。」)というコメントが出されています。そして、他国の代表団からも批判がたくさんでているようです。

これについて、日本の代表団のお一人にお話をうかがったところ、科学的な計算を行い、国民の声を聞き、麻生総理が決定された実現可能で十分野心的な目標だと考えている。もちろん、気候変動を第一に出来る限りのことをしようと真摯に考える視点から、低い目標値であるのは事実で、失望の声は当然であり、重くうけとめている。批判ではなく提案がないとこちらも聞けないし、提案があればこちらも参考にできる。科学的に40%という場合、どのような前提でどのような計算で40%なのか、そこまできちんと理解して提案してほしい。そして、日本国内からは高すぎる目標として産業界を中心に多くの批判がある。各界からのコメントはきちんと確認しているとのことでした。そして、特に多い基準年に対する批判⇒日本は「2005年比」で15%減と発表したが、なぜ1990年比としないのか、90年比では8%減でしかないじゃないか。に対しては、総排出量を減らすが大事だと考えているし、どの基準年にしてもどこかの国に有利でどこかの国に不利な基準となることとなる。議論すべきことは基準年ではないと思うとのこと。

また先日の交渉官とのミーティングでも、数値目標についての話をうかがったところ。今回この会議で決まる数字は、京都で各国に無理やりあてはめて決まったものとは全く違うものだ。今回の数値は、日本の中期目標にしても、きちんと積み上げ計算であったり、国内での研究や意見を各国が行ってから決めた、しっかりと理由のある信じうる数字となる。と、同時に、国際社会の声をきちんとうけとめていくことが重要だということを語ってくださいました。

お二人ともまだまだみんな日本発表の読み込みをしているところ、もしくはもっと詳細を読んで欲しい、そしてそれからの反応や批判を見ていくし、楽しみにしているとのことでした。総理のスピーチをここで解説できればいいのですが…各自こちらで確認してください!!

そして、大忙しだったNGOのキャンペーン☆私もお手伝いさせていただきました。
会議場では「号外」ニュース(上の画像です。うまく日本語に訳せないのでそのまま載せていますが、すごく面白いジョークもりだくさんです。ぜひ読んでみてください!!)を配り、日本を中心とする世界のNGOが記者会見(ビデオ)を開いてどのようなことが日本に求められているのか、途上国の窮状、そして、麻生首相へのスペシャル化石賞授賞式が行われました!!京都議定書から離脱したブッシュにかけて、「ジョージW.麻生」がおひろめされました(笑)そして、本物の石炭をいれた「べんとう」がトロフィーとして渡されました。

NGOからは主に
・国際社会からの要請、国際社会での日本の立場
・日本の責任
・IPCCなど「科学的」結果からは被害を抑えるためには25%以上の削減が必要、40%が最低とも
・90年比では8%減でしかない・公平性のおかしさ。(限界削減費用という指標は日本くらいしか使っていない)
・市民の声などという点が指摘され、日本の低い目標に対して様々な意見が表明されています。

例えば、 WWFジャパン日本の「中期目標」 3つの大問題
KIKOネットワーク日本の「8%削減」中期目標 このままでは国際社会から孤立する 環境エネルギー政策研究所(ISEP)政府の地球温暖化対策の中期目標に関する意見 地球環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA)「8%削減(90年比)の中期目標を撤回し、科学に基づく削減目標の再考を!

また木曜日には、世界のユースが日本の交渉官に対して、より強い目標を求める手紙を届けていました。今日は最終日ですが、まだイベントが企画されているようで、ここボンでは「Japan」の話題でもちきりです。日本では中期目標に関してどんな反応がでているのでしょうか???そもそもホットな話題ですか?まず、国際社会から取り残されることがないようにしてほしいなと思います。これは、NGOや私たち若者はもちろん、マスコミへのお願いにもなると思います。

最後に別の日本代表団の方からいただいたメールより抜粋。
一交渉官として外交的台詞を述べるだけでなく、実際に日本はどれだけのエネルギー量を消費し、それをどのように改善してきたのか、自分が生まれる昔の1960年から2009年まで、1%も誤謬のない形で国内外に説明し、日本という国の誇りを守っていかなければなりません。

私達も専門家にはなれなくても、自分達の日本が何を言っているのということをきちんと知って、議論を起こし、それでもっておかしいところは指摘して改善を求め、日本の市民として世界に誇れるようになりたいなと思いました。